代表挨拶

不足する社会資本維持の担い手

建設業の市場規模は約57兆円*1、就業者は約500万人(対全産業対比7.5%)*2に及びます。また、道路・水道・電力・ガス・鉄道・空港・港湾などのインフラから工場、物流施設、オフィスビル、住宅などの建設・維持・更新を担っており、まさしく人々の暮らしを支える基幹産業と位置付けられます。
基幹産業である建設業では、施工管理技術者や技能労働者の高齢化の進行と、若年労働者の不足が深刻な状況にあります。同時に、全国に散在する中小規模の建設関連事業者では後継者不足も深刻な課題となっています。
このような構造的な問題が放置されれば、良質な社会資本の維持に支障を来たし、ひいては人々の暮らしに支障が出るおそれがあります。

担い手不足の解消に向けた課題

このような状況に置かれた建設業においては、二つの「担い手不足」を解消する必要があると考えています。
 一つは施工管理技術者、技能労働者の不足です。特に若手人材から建設業が選ばれるためには、魅力的な労働環境の整備が必要と考えています。給与などの待遇面の他にも、休みを取りやすい環境や能力を伸ばせる仕組み、柔軟な雇用制度の導入などが必要になってきます。
このような制度改革には投資が必要で、それを可能にする生産性の向上が不可欠と言えます。建設業においても新しいテクノロジーの導入による生産性向上は必須といえる反面、各地域に散在する中小の建設関連事業者単独では十分な投資ができないのもまた実情です。
 もう一つの担い手不足として、地域を支える中小の建設事業者において、次世代の経営を引き継ぐ後継者が圧倒的に不足している現実があります。現状を放置すれば、いずれ廃業せざるを得ない事業者が増加する可能性があります。

建設業界の構造革新を目指す

我々は、後継者不足に直面する建設関連事業者と資本提携を行う事で事業を承継し、資本・経営の担い手として後継者不足問題の解決を目指していきます。
施工管理技術者・技能労働者の不足に関しては、資本提携後に給与や退職金制度の導入など待遇面の改善をしている他、公正・公平な人事評価制度の導入、就業規則の見直しによるコンプライアンス体制の確立、能力を伸ばすための各種研修制度の導入などを通じてより個々人が輝ける職場環境の整備を進めています。
加えて、労働生産性の大幅な向上を実現するため、ドローンなどの新しい技術を積極的に導入し、増加した付加価値を従業員に積極的に還元していく事で人が集まり、さらなる投資が実現できるという好循環を作り出していきたいと考えています。単独ではできない投資も、我々のグループの一員となる事でそれが可能となる仕組みを整えていきます。
我々は建設業界の構造を革新し、社会資本の維持・更新に、従業員や地域の人々の豊かな暮らしに、貢献していきます。

TAKUMINOホールディングス株式会社
代表取締役社長 小野晃良